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| Polemonium kiushianum ハナシノブ科 日本固有種。草丈70〜100cmほどの多年草。 葉は羽状に全裂し、裂片は広披針形で、長さ2〜4p。 花は6〜7月に茎の上部に円錐状につく。花冠は美しい青紫色で、長さ11〜15o。 分布地:世界中で、九州の阿蘇の草原だけに自生する。 |
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阿蘇・くじゅう山地は、過去の火山活動により森林が破壊されて草原となった、日本の中では珍しい、草原がまとまって継続的に存続してきた地域です。 日本ではほとんどここだけにしかない草原性の植物が数多く生育しています。 |
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| 左より ヤツシロソウ(キキョウ科)、ヒゴダイ(キク科)、ツクシマツモト(ナデシコ科) |
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| 人間が活動を始めてからは、草原は牧場や採草地として利用され、草原性の植物の生育にも快適な環境が維持されてきました。 ところが近年、様々な要因による山地の変化によって、代表的な草原性植物であるハナシノブが絶滅の危機に瀕しています。 環境省では、「阿蘇草原再生推進計画」のもと、阿蘇の 草原環境の保全・再生に向けた取り組みを進めています。 ⇒阿蘇草原再生プロジェクト |
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| 第一の要因に、社会環境の問題があります。畜産業の衰退により草原の維持に必要な火入れや採草が行われなくなったことにより、植林地や農耕地へと利用方法が変わりました。また、残った草原も、外来の牧草をまいた人工草地へと姿を変え、自然の草地が激減しています。 | ||
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畜産業の衰退 土地利用の変化など → → → |
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| 第二の要因に、人為的な問題があります。これは、園芸目的でハナシノブの近縁種(セイヨウハナシノブ、エゾハナシノブなど)が持ち込まれたため、ハチなどに運ばれた近縁種の花粉が野生のハナシノブに受粉し、その結果、純粋なハナシノブではなく、近縁種の遺伝子が混ざった個体(交雑個体)が発生してしまうという問題です。 残り8ヶ所となった自生地のうち、すでに2ヶ所で交雑が起きていることが確認されていますが、交雑個体と純粋なハナシノブを見た目で区別することは難しく、DNA鑑定によって判定しています。 また、希少種となった野生のハナシノブを求めて、不法な盗掘が行われている現状もあります。 |
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| ハナシノブを絶滅させないために、環境省はハナシノブを「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」に基づく「国内希少野生動植物種」に指定し、様々な保護対策を行っています。 | |||
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@法律による採取などの禁止 ハナシノブを許可なく採取することや譲り渡すことは禁止されており、守らない人は罰せられます。 |
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A調査 ハナシノブの生育状況や生育環境を調査して、保護対策に活用しています。 |
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B生息環境の維持・改善 自生地の一部を、保護区にして開発行為から守るとともに、生育環境である草原を維持するために、定期的な刈り払いを行っています。 |
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C盗掘の防止 開花時期に盗掘防止のためのパトロールや、チラシの配布を行っています。 |
| D交雑対策 交雑個体を放置すると、さらなる交雑が進んでしまうため、保護区内の交雑個体を取り除いています。 また、自生地やその周辺に近縁種や交雑個体を持ち込まないように呼びかけています。 さらに、許可を得てハナシノブを栽培・販売している農家に対しては、純粋なハナシノブを扱うようにお願いしています。 |
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| ここ新宿御苑でも、絶滅のおそれがある植物を守るための取り組みを行っています。 | |||
![]() 阿蘇の保護区から導入した株は、採取地別に管理しています。 |
ハナシノブは、自生地での数が非常に少なくなっているため、病気の発生や自然災害によって、野生のものが急に消失してしまうおそれがあります。このような場合にも、ハナシノブという種が絶滅することにならないよう、いくつかの場所で栽培しておくこと(危険分散)が必要であり、新宿御苑はその役割を果たしています。 大温室の裏には栽培温室があり、ランや熱帯植物のほか、日本の絶滅危惧植物の栽培も行っています。 | ||
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| また、近縁種との交雑という新しい問題が自生地で起こっているため、「純粋な」ハナシノブを確保しておくことも重要です。そのため新宿御苑では、交雑が起こらないように細心の注意を払って、純粋なハナシノブを栽培・増殖しています。 | ![]() |
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