御苑ニュース(2003年9月) 


情感あふれるススキの穂
2003年9月11日
 日本庭園のススキの穂がのびはじめました。
 暦をたどれば、今日は十五夜。この日に見える満月は、一年で最も美しいとされ、「中秋の名月」ともよばれています。
 お月見といえば、このススキ。月光に照らされて輝きを増す日本庭園で、御苑に暮らす生き物たちも、月の夜を愛でているかもしれません。
 お月見のルーツは、古代中国で行われていた里芋の収穫祭にあるといわれています。この里芋が月へ転じ、月を見る宮廷行事・「望月」として、日本に渡来しました。詩を読んだり音楽を奏でたりする行事だったのですが、江戸時代に入り、収穫物を供えて月を見る農耕儀礼となりました。
 また、旧暦の9月13日の夜を「十三夜」とよび、同じく秋の名月を鑑賞するようになりました。
 十五夜には里芋を供えることが多いので「芋名月」。十三夜は粟や豆を供えるので「粟名月」「豆名月」ともよばれています。
 小さな黄色いつぶつぶが穂にたくさんついていますが、これはおしべ。黄色い葯が先端についています。花粉を受けるめしべは、茶色く毛羽立った羽毛状。ちょうど開花期で、風に花粉を散らしているのです。
 十三夜の10月8日ごろには、ふさふさの穂になっているのではないでしょうか。
 すくすく立つ木(草)がススキの名前の由来。この葉で屋根を葺くことから刈り屋根の意の「茅(かや)」、花の穂が動物のしっぽに似ていることから「尾花(おばな)」ともよばれています。
 秋の七草でおなじみの尾花は、この穂の出たススキのことをいいます。
 景色に季節のエッセンス。涼感あふれる風に、秋の情感をただよわせます。
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