御苑ニュース 
通り過ぎた台風が残したもの
2003年8月10日
 台風一過の今日は、朝から雲ひとつない青空。昨日までの騒がしさはどこへやら、いつものようにセミがにぎやかに鳴いています。
 しかし、園内を散策していると、台風の痕跡がいくつも。天災の残した被害や影響を「爪痕」と表現しますが、まさに強い風と雨にひっかかれたような、木々や草花。
 母と子の森に横たわるいくつもの枝。これはモミジバスズカケノキです。ちょうどここは、イチョウやユリノキの大木が大きく枝を張っている場所。おしあいへしあい、みんな風に体を揺らしてぶつかり合っていたのかもしれません。
 枝先にはこれから褐色に熟し始める、大きな鈴のような実がついています。
 こちらはユリノキ。根元に倒れこむように枝が落ちています。
 こちらもこれから熟し始める、とんがり形の実が枝先についています。
 何十年、何百年と生きてきた木々たち。春に花を咲かせ、夏に葉を茂らせ、秋に実をつけ、そして冬に土に還る。一年の営みを守りながら、ここに至るまでに、いくつもの山を越えてきたのでしょうか。
 脅威というとおおげさかもしれませんが、晴れの日もあれば、雨の日もある。さまざまな状態がすべてあることこそが自然なのかもしれません。そのような状態においても、ともに暮らす生き物たちとどのように恵みをあたえあうかを省察する。
 一本の木々がどのように生きてゆくか。台風の通りすぎた園内で、自然の痛ましさや強靭さ、そして生命の尊さを強く実感します。