ちいさな秋みつけた
2001年8月28日
日本庭園 夏の暑さが峠を越え、少しづつ涼しくなってくる8月23日の処暑もすぎ、秋を待つ季節。
園内各所でちいさな秋が始まっています。
日本庭園の上の池では、ススキの穂が開き始めてきています。
秋の七草のひとつで、十五夜のお月見でおなじみのイネ科の多年草。
すくすく育つ木(草)がススキの名前の由来。穂の出たススキはオバナ(尾花)と呼ばれています。
また、この葉で屋根をふくことから、刈屋根を意味する茅の別名がつきました。
池をまたぐ橋の中央のススキの根元には、おもしろい形の小さな花が咲いています。
これは、ナンバンギセル。
ススキやミョウガなどの根に寄生し栄養をとりながら育つ寄生植物です。
花の形が、昔、ポルトガル人が持ち込んだパイプに似ていることから、南蛮煙管の名前がつきました。
ナンバンギセル
ハギ やわらかな枝いっぱいに小さな紅色の花をつけたハギは、マメ科の樹木ですが秋の七草のひとつとして古くから親しまれています。
葉は家畜の飼料として、また干したものをお茶に、しなやかな枝を使ってほうきや垣根を作ります。
新宿御苑では、散策路を中心にハギが楽しめます。見ごろは9月中旬です。
「吾木香さし出て花のつもりかな」。これは小林一茶がワレモコウの花を詠んだ歌です。
「吾も紅(コウ)なり」が名前の由来。
楕円形の赤い穂が茎の先につくのが特徴です。よ〜くみると、小いさな花がたくさん集まっているのがわかります。
玉藻池そばで楽しめます。
ワレモコウ
ツルボ フランス式整形庭園のすずかけの並木に咲くツルボ。茎先の穂には、淡い紅色の花が集まって咲きます。
蔓のような花穂をつけることから「蔓穂(ツルホ)」、穂が連なる「連穂(ツラホ)」が名前の由来です。
また、花の形が昔貴族が使った参内傘に似ていることから、サンダイガサの別名があります。
イギリス風景式庭園のそばに咲いている、小さな紅紫色の花はゲンノショウコです。
干した草を煎じて飲むと、下痢や腹痛にすぐに効果がある「現の証拠」が名前の由来。
また、熟した実が開いた様子がお神輿の屋根に似ていることからミコシグサの別名があります。
ゲンノショウコ
タイワンホトトギス ゲンノショウコと一緒に咲いている、紫色の小花はタイワンホトトギス。
台湾原産で、花びらの紫色の斑点の模様が、鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることが名前の由来です。
沖縄に自生しますが、数が少なくなってきている植物のひとつで、平成6年の環境省発行の「レッドデータブック」では、メダカやカキツバタなど、絶滅の危険が増大している、絶滅危惧類植物にリストアップされています。