御苑ニュース 
花びらは笹舟にのって
2003年3月18日
  日本庭園の乳白色の空から、はらはらと、まるで粉雪のように、満開をむかえたウメの花びらが風に舞い始めました。
 枝から落ちる花びらは、まるで時を刻むメトロノームのよう。その1枚1枚に、ゆるやかな時間の流れを感じます。
 ウメの足元に広がる熊笹の葉の上に、花びらがまた1枚。身を寄せながら重なり合っています。
 舞い落ちるウメの花びらに、抱きとめるササの葉。自然の中の穏やかな関係。お互いがお互いを尊重しながら、ともに暮らし、そしてそこから新しい生き方が見えてきます。
 笹舟にのった花びらは、次はどこへ旅するのかしら。
 漆黒の幹に寄り添うようにたたずむ紅白のウメ。
 つぼみをふくらませ、やがて一心に開花し、青空に咲き誇るまで、枝先で互いを見合った仲かもしれません。
 一つの同じ木に花咲くことはなかったものの、最後は同じ木の幹で身を寄せ合うウメの花。耳を傾ければ、思い出話をする花々の声が聞こえるようです。
 白と紅の2つの道が新たな1つの道となる。
 自然の流れの中で、調和しながら生きて行く植物たちの生き方に、学ぶべき人間の生き方を見ることが出来ます。