ツバキカンザクラが咲き始めました
2002年2月19日
北宋の画家・郭煕(かくき)の詩・「山水訓」の中に、『春山淡冶(たんや)にして笑うがごとく、夏山は蒼翠(そうすい)にして滴るがごとし。秋山は明浄(めいしょう)にして粧うがごとく、冬山は惨淡(さんたん)として眠るがごとし』という言葉があります。
春夏秋冬の山をそれぞれ「山笑う」「山滴る(したたる)」「山粧う(よそおう)」「山眠る」と季語に表現しました。
冬の灰色から淡い緑色に変化してゆく春の山。萌えだした樹木や草花のおしゃべりが聞こえそうです。
そんな里山を思わせる、御苑の西側にある母と子の森にも春がやってきました。
ラクウショウのちょうど後ろに、ぼんぼりのようにほのかに明るく浮かびあがるツバキカンザクラ。葉を落とした木々の間にぱっとはなやかな彩りをそえています。
青空に飛び回る野鳥たちの声を聞きながら、なにかなつかしい風景を思い出しました。
ツバキカンザクラは、愛媛県松山市の伊豫豆比古命神社(椿宮)に原木があります。
桃色の小さな丸い花びらに長く飛び出た雄しべが特徴です。
愛媛県を中心に栽培されていますが、枝が枯れるなどの病気の被害を受け、あまり大きくは生長しないそうです。
東京ではあまり栽培されていないので、新宿御苑の大木の椿寒桜はとても貴重であるといわれています。