白いベールに包まれて
2002年10月1日
やわらかな白いベールに包まれた、幻想的な風景。雨の御苑に広がる静寂の世界。
 はっと吐いた息が、ほのかに白く染まりはじめました。
 霧吹きで吹いたような細かい雨が、朝からしとしとと静かに降る園内。
 まるで傘のように、大きな枝を広げたヒマラヤスギで雨宿り。不思議と一滴の雨粒もこちらには降ってきません。雨音がかすかに響きます。
 1本の木の下にいるというよりは、まるで家の中にいるような気持ち。
 あたたかな、そして安心感があります。
 ヒマラヤスギはネパールなどのヒマラヤ西部に分布する常緑高木。標高1700〜2000mの高地に林を作ります。
  枝いっぱいに、小指の先ほどの小さな球状の花がついています。これは雄花です。
 昭和34年に発行された『樹木大図説』(上原敬二著)によると、ヒマラヤスギが日本に入ったのは明治12年ごろ。横浜在住のイギリス人・ブルーム氏がインドのカルカッタより種子を取り寄せて実生苗を作り、30本が宮内省に、100本が新宿御苑に植えられたといわれています。
 円錐形の樹形が美しいヒマラヤスギ。うっすらと白いベールに包まれた頂上。枝は地際まで大きく伸びています。